中国科学院武漢植物園の王青鋒氏、李偉氏、日本名城大学の汪光熙教授および同武漢植物園の廖廓氏が編纂した中国の水生植物図鑑の英語版が、2021年12月に湖北省科学技術出版社から正式に出版されました。
本書は、中国に生息する240属87科に属する885種(種内分類群を含む)の淡水・海水高等植物を収録しています。中国全土に分布するほぼすべての水生植物種を網羅しています。中国原産の水生植物種を体系的にまとめ、一部の分類群については最新の研究成果に関する注釈と分類を提供しています。各科には属と種の検索表、そして科、属、種の詳細な説明が記載されています。また、各種の分布と生息地の特徴についても解説しています。
本書では、経済的および科学的価値に基づいて代表的な500種を選定し、843枚のカラー画像から厳選した185枚の図版を掲載しています。これらのプレートには、水生植物の本来の生息地、個々の植物、種の分類上の特徴を反映した花や果実のクローズアップが展示されています。
中国は世界でも有数の高い水生植物の生物多様性を誇ります。水生植物は、食、薬、そして文化と深く関わってきたという、長く、かつ豊富な記録の歴史を持っています。近年、中国の急速な社会経済発展は水生環境に劇的な変化をもたらし、水生植物の生息環境を撹乱しています。その結果、種の多様性、個体数、分布に様々な変化が生じ、一部の希少種や絶滅危惧種の適切な生息地や野生個体群の喪失または減少につながっています。
水生環境における水生植物の重要性に対する認識の高まりは、水生植物の多様性に関する理解を大きく前進させました。新たな水生植物の分類群や分布の発見が続くことで、中国の水生植物の多様性に関する理解を深めるための豊富なデータが得られています。
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