「恋恋風塵」1987年
シャオシェンの代表的青春映画。美しき台湾の原風景を背景に描かれる瑞々しき恋の物語は、日本にもファンの多い名作。
「フラワーズ・オブ・シャンハイ 海上花」1998年
中国文学の古典『海上花』を映画化した文芸ロマン。19世紀末の上海を舞台に、清朝末期の高級遊郭で繰り広げられる男と女の愛憎劇。全編を室内カットのみに限定し、アヘンの煙が匂い立つような官能的映像世界を演出構築した。当時の家具や装飾品を買い揃えたという贅沢なセットをバックに、香港、日本、台湾の豪華スターが痛々しいまでの愛の葛藤を演じている。
「ミレニアム・マンボ 千禧曼波」2001年
新世紀(ミレニアム)の台湾に生きる女性の愛の喪失と再生を描いた青春ドラマ。2人の男性の間で揺れ動く主人公の姿を彼女自身の10年後のモノローグでつづり、心の奥深くに激しい感情や欲求を抱えながら生きるひとりの女性の姿をリアルに映し出す。
後に「百年恋歌」「黒衣の刺客」でもホウ・シャオシェン監督とタッグを組むスー・チーが主演を務め、「花様年華」「夏至」のリー・ピンビンが撮影を担当。2001年・第54回カンヌ国際映画祭で高等技術院賞(芸術貢献賞)、第38回台湾金馬奨で撮影賞・オリジナル作曲賞・音響賞を受賞
「百年恋歌 最好的時光」2005年
恋愛オムニバス。1966年、ビリヤード場で働く少女と兵役に向かう青年。1911年、辛亥革命前夜に愛を交す高官と芸妓。2005年、大都会で傷つきながら惹かれあう写真家と歌手。3つの異なる時代で一組の男女が出会いを繰り返し、宿命の恋に落ちる。少女、芸妓、歌手と3様の女性を演じたのは「ミレニアム・マンボ」のスー・チー。「愛の神、エロス」のチャン・チェンがその相手を務める。
侯孝賢 Hsiao-hsien Hou
「ステキな彼女」で監督デビュー。「風櫃の少年」と「冬冬の夏休み」でナント三大陸映画祭グランプリを2年連続で受賞し、「童年往事 時の流れ」でベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞。50~60年代の激動の台湾に生きる人々を活写し、台湾ニュー・シネマの立役者として国際的な知名度を確立する。「悲情城市」でベネチア国際映画祭の金獅子賞、「戯夢人生」でカンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞し、この2作に「好男好女」を合わせた3作は「台湾現代史三部作」と呼ばれる。
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